雪の日にからすみ風たらこ考

今日は週末なのでここ数日の禁酒を解禁し少しお酒をいただく。

まん延防止等重点措置が発令されて会社の決め事として、県外に出ると数日間の自宅待機が必要になった。

2月4日に久々に大阪で飲む約束をしていた前の会社の大先輩との飲み会を延期せざるをえなくなったしまったことを惜しみながらのお酒である。

お酒のアテを探して冷蔵庫を探っていたらカラカラに乾燥した明太子が出てきた。

からすみっぽいと思って食べたら非常においしかった。明太子はたらの卵、からすみはぼらの卵という違いはあれどぎゅっと濃縮したうま味はひとしく価値があった。

発酵食品などで偶然がもたらした美食は数あるが、同じような体験をしたようで良い気分だった。

これからはたらこをかってきてラップを外し冷蔵庫で時間をかけて乾燥させ、からすみのようにたべようかしらと考えた。

からすみは最近すっかりごぶさただったが子供のころからたまのぜいたくとして家で食べていた。

明治生まれの祖父は戦時中台湾で勤務しており、父も台湾で生まれた。

元は鹿児島の祖父だったが、戦後引き上げてきて私が生まれて物心ついたときは横浜で同居していた。

母は同居していている祖父母のために、往時をなつかしめるよう、台湾からの引き上げ者からレシピを聞きながらたまに台湾料理を作っていた。

家庭の味が自分の住む地方の味かというとそうではない。

横浜育ちの私が食べて育ったのは、甘辛い味付けの鹿児島料理がメインに、 カレーライスなどの新しい食も取り入れながら、時々出てくるビーフンなどの台湾料理も食べていた。

高度成長期に生まれ育つ中で、周りの皆も全員田舎出身で、一旗揚げようと首都圏に出てきて生活を営む中で各家庭で全然違う料理を食べていたのだと思う。

たらこからすみを我が家の定番にしようかとふとおもった。

たらこを買ってきてラップをはがして冷蔵庫に放置してみようか。

朝、新聞を取りに出ると庭のブロッコリーに雪が積もっていた。

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