通勤途中の麦畑で冬小麦の収穫が近づいている。
金色にきらきらと光り始めていてとてもきれいである。
金の麦は幸福の象徴としていろいろな絵画や映画や小説、漫画などで描かれてきた。
ゴッホの油絵にも有名なものがあったと記憶している。
風の谷のナウシカで、「そのもの青き衣をまとい金色の野におりたつべし」という古き言い伝えの再現としてナウシカがオームの触角の上を歩いている有名な場面があった。
あの場面も麦畑をイメージして描かれているのだと思う。
樹なつみという好きな漫画家がいるのだが彼女の作品で「OZ」という核戦争後の未来を描いた漫画でも憧れの風景として麦畑が描かれている。
日本人の場合、米が主食であり、私も子供の頃から麦畑を見るよりは水田で稲穂を見ることが多かったように記憶している。
麦畑を見慣れている訳でもない筈なのに心がほっとする。
遺伝子に組み込まれた幸福の風景なのかもしれない。
金が金属の中で特別な地位を占めているのも希少性だけでなく人が美しいと感じる色をしていることが大きいのだろうが、美意識のおおもとは収穫期の麦色から来ているような気がする。
朝からいい気持ちになれた。
眼福である。