
電車に乗って家族で遠出する際も、あちこちに自然が残っていたように思う。
最寄りの駅に向かう途中、綱島街道沿いにある大綱橋のたもとにある桜の木で、日の光にきらめくヤマトタマムシの色鮮やかさに目を奪われた。
曾祖母と大叔父夫婦が暮らす東京都世田谷区上野毛の家にもよく行った。
あの家は国分寺崖線(ハケ)沿いの高台に位置しており、崖線の斜面を利用した庭があり、
斜面を湧き水が流れて庭の中に小川をなしていた。
最後には多摩川に流れ込むのだが、野生なのか捕まえてきて放したのかわからないが沢蟹が棲みついていた。庭には色あざやかなトカゲ、屋内にはヤモリがいた。
近所には「最後の政商」と呼ばれた、小佐野賢二氏の邸宅があり、大叔父の家から小佐野邸に向かう坂道で、マイマイカブリやミヤマカミキリを見た。
小佐野邸は、コンクリの壁に囲まれており、監視カメラが設置されて、その向こうに覗く手の届かない静謐な場所にそびえたつブナの木にとまったオオミズアオの息をのむような美しさには目を瞠った。
夏休みには、葉山などに海水浴に連れて行ってもらうことがあり、泳ぎもせずにイワガニやスナガニ、ヤドカリを追っかけていた。
当時、父が単身赴任をしていた奈良県にも良く行った。ヘビ神様を祭る三輪神社では、お供え物の卵をシマヘビが丸呑みするシーンも見たことがある。とても興奮する体験だった。
母方の実家は鹿児島県の川辺にあり、夕食時には電灯の光を求めて、カブトムシが飛んでくるような家だった。近所の田んぼの用水路で10cm以上ある大振りのアカハライモリを捕まえたのも良い思い出だ。どの思い出も色鮮やかに映像が思い浮かぶ(次に続く)。
