年始に熊の手と資本論

熊の手を食べる。

満漢全席のメインディッシュになる素材で、ずっと憧れていた。

ネットで見て注文して年明けにいただいた。

塩とネギと酒で煮たものをパックし冷凍した状態で送られてきていた。

若干の獣臭を除いては特に味はない。

コリコリした食感のコラーゲンの塊である。

液状化したゼラチン部分に特有の滋味あふれる口当たりに、他の食材から取ったスープのうま味をしみこませて楽しむ食べ物なのであろう。

今日は、酢味噌、わさび醤油、塩、柚子胡椒を調味料に、ビール、芋焼酎、赤ワイン、日本酒、老酒と合わせて相性を確かめながらいただく。

獣王が血肉化していく感じがして最高によかった。

掌を食べる時に指の股から挟みを入れていくと、骨に当たらずに普通に切断できることも分かった。

ちょっとした体験が私の中のリアリティを積み上げていく。

今年も沢山の経験を積もう。

昼には【人新生の「資本論」】を読了する。

資本主義を続けると環境問題は解決しないというところまで説得力があったが、解決策としてのコミュニティ論は昔ながらの性善説に帰結する感じで実現可能性にもう一工夫が必要に読めた。

ただ人が大義名分のもとに集結するには【環境】というワードしかなうことはすでに明確であり、幸福とは何かを改めて議論する中で正解を見つけていくしかないのが実際のところである。