木曜日は書評【50年目のドリトル先生】

初めて夢中になった本は、「ドリトル先生航海記(ヒュー・ロフティング作・井伏鱒二訳)岩波書店」である。

外箱に入った、四六判のハードカバーが綺麗な本で、出会ってからもう50年以上になる。

父母が古本屋さんで買って来てくれた。
「動物と話ができるお医者さん」というテーマ設定にわくわくした。

当時は、お小遣いをもらってなかったので、誕生日にもらったりお年玉で買ったりして、数年がかりで、シリーズ第一作の「ドリトル先生アフリカゆき」~「ドリトル先生の楽しい家」まで全12巻を揃えた。

昔、実家で買っていた愛犬の名前(Zip)も本書からもらった。

周りの大人たちに聞くと、人間は動物語を話せないというので、私が動物語を発見しようと決めて、獣医を目指した(成績足りずに挫折したが・・)。

動物と会話ができるというのは、皆があこがれて、沢山の映画・ドラマ・小説・漫画でも繰り返し扱われるテーマであるが、その嚆矢であろう。

その後も戸川幸雄やシートン動物記、ファーブル昆虫記などを読んできた。

獣医でなくとも、京大の山極先生(京大理学研究科(動物学専攻))の「人類進化学」、「霊長類学」や「動物行動学」など、心おどる学問は、いろいろとあったろうにと思うが、当時は「獣医になれない」ので「加工食品メーカーの研究者」になろうと自然に流れていったように思う。

「好きを仕事に!」という執念が弱かったのかもしれない。

今が幸福で、当時の自分の選択に後悔はないが、老後の田舎暮らしを夢見るのは、自分なりに自分の気持ちに折り合いをつける過程なのかもしれないと思う。

初めてドリトル先生を読んだ時のワクワクした気持ちを思い出して、その感情に寄り添うような決断をしていこうと改めて誓った。

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