【創作の極意と掟(筒井康隆)】を読んで

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ブログを書き始めてから言葉の正確な使い方が気になって、うろ覚えの単語を使う時など意味を確認してから書くようになってきた。

さらにうまい文章のコツなどにも興味を持つようになった。

参考にしようと借りてきたのが筒井康隆の【創作の極意と掟(講談社)】である。

3週間ほどまえに三重県立図書館から5冊ほど借りてきた中の一冊だが先ほど読了した。

【凄み】や【色気】などの小説に必須の要素で、かつ作者の体験がにじんでくることや【薬物】、【電話】といった子道具類に関する考察、【語尾】などの作文技術的なものまで小説が具備すべきことが盛り込まれていて非常に面白かった。

著者の意見として、よき作家は古典、哲学などへの素養、文法などの作文技術、濃密な人生体験の3つが必須であるとの印象を受けた。

小学校から55歳の今にいたるまでの人生を振り返った時に、本一冊分くらいの体験はしてきたように思う。

人が昔から悩んできた古典的命題と比較しながら自分の体験を語り、適切な作文技術で表現すれば多少は読ませることができるのではないか?

札幌で過ごした大学時代、夜を徹して飲んだ薄暗い明け方帰路の途中、真冬の大雪でアスファルトの道路も雪が降り積もり、一面真っ白の中に24時間営業のコンビニエンスストアのあかりだけがぽつんとともる中、チェーンを巻いたトラックがサンタクロースの橇のようにシャンシャンシャンと音を鳴らしながら走っていく姿を見て、この風景を文章に出来れば一冊は本が書けるなと考えていたことを思い出した。