本日の三題噺お題 楽園 川 雷
さらさらと流れる川で、キラキラと光る小魚が跳ねる。
ぽかぽかと優しい日差しが注ぎ、そよそよと風がほほをなでる。
たわわに果物をしならせた川沿いの果樹の木立から、太陽の光がさしこんでいる。
私は、木漏れ日の差し込む余地もなく葉の生い茂った、抱きしめても両手が回らない大きな木の下で、のんびりと昼寝をしている。
取り立てた悩みもなく、これが楽園というものかとぼんやりと考えている。
遠くで雷がなっている。
すこしづつ近づいてきており、やがて、こちらにもにわか雨を降らせるのであろう。
にわか雨がふるとわかっていても、今の幸福な気持ちにかわりはない。
大木の圧倒的な傘のおおきさが与えてくれる安心感が半端ないのであろう。
心が平穏であれば、傘の外の世界に雨が降っていても、気温、湿度が快適で、五感にうったえかける不快感が何もなく、先の浸水の恐怖もない時に、人は楽園を感じることができるのであろう。
キリスト教の楽園や仏教の極楽浄土も同じイメージでとらえていていいのかしら。