日本の電車で一緒に老けていく私たちが、あの頃の中国のバスを思い出すとき

三重に住んで10年以上が経つ。その間、ずっと電車通勤である。

名古屋や大阪方面とは逆の下り電車を使っている為、行きも帰りも混雑とは無縁。

車内は学生がメインで、サラリーマンがちらほら。
まるで指定席であるかのように、皆、いつも同じ席に座っている。

面白いもので、毎日みていると車内のドラマが見えてくる。

中高生の男女が付き合い始めて、そして別れた・・・そんな人間模様を「席の座り方」の変化で知ることもある。

学生は3年間で入れ替わるが、サラリーマンだと10年間ずっと一緒の人もいる。

お互い認識はしている。
けれど、声を掛け合うことはない。

―ただ静かに、一緒に老けていくだけだ。

そんな車内の静寂の中で、ふと、中国に駐在していた頃を思い出す。

2008年~2014年まで上海にいた。
北京オリンピックと上海万博を挟み、国が急激に経済発展していた時代だ。

当時の中国は、人と人の距離感が驚くほど近かった。
公共のバスや電車に乗ると、すぐに隣の人と会話が始まる。
車内全体が、まるで「修学旅行中のバス」のようなワイワイガヤガヤした雰囲気に包まれていた。

それが2010年頃、スマートフォンが広く出回るようになると雰囲気が一変する。

皆が静かに携帯の画面に見入るようになり、あの喧噪が嘘のように消えた。

一つのテクノロジーが、あっというまに世界を激変させる、驚きの体験だった。

それでも、彼らは今でも日本人よりずっと他人との距離が近いように思う。

アメリカでも、エレベーターの乗り降りの際に、「Hi!」や「Have a good one!」など声を掛けあう文化がある。

時代や国によって、他人との距離感の「正解」は本当に様々である。

とはいえ、場所や時代がどうであれ、見知らぬ人と関わる瞬間に、お互いが気持よく過ごす為の「礼儀や技量」は、大切にしたい。

ちょっとした挨拶や感謝の言葉が、お互いの1日を幸福に変える。

私は今、定年を迎えて福岡への移住を計画している。

これから新しいコミュニティと出会う機会が、一気に増えていくだろう。

次の新しい土地で、自分はどんな第一声を投げかけるか?

そう考えると、また一つ、これからの人生にわくわくすることが増えた。

皆さんは、初対面の人と会う時に、どんなアプローチを心がけていますか?

にほんブログ村 ライフスタイルブログ 定年後の暮らしへ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です