養老先生の講演に行く

11月14日に養老孟司先生の講演に行った。

かねてから著書などを通じて私淑していた先生なので感無量だった。

三重からわざわざ東京まで出かけて聴講したのだが、公演開始前に主催者が日本全国から集まっていると言っていたので私のような人間がそれなりにいたのだろう。

失礼な話だが、ご高齢なので生きてるうちにぜひ一度生でお顔を拝見したいと思い始めたころにコロナがおこり三年越しに悲願をかなえたことになる。

11月11日に85歳の誕生日を迎えられたそうだが間に合ってよかった。

年齢を感じさせない語り口でいろいろと勉強をさせてもらった。

主催者が設定したテーマは、【今の日本に一番必要なもの】だった。

冗談交じりに「地震」と答えた後、説明に入る。

世界でSDG’sなどとさかんに喧伝しているが、これは今の日常を続けると、同じレベルの日常を続けることが不可能になってきたことを世界が気づいたということであるという。

世界中で自然保護区ですら虫が激減しているらしい。

エネルギー、食糧など今のままの日常を維持できなくなるのは自明であり、どこかでガラガラポンをしなければならないのだが日本に自浄的にそれを期待するのは難しく、地震でもおきなければ変わらないだろうとの趣旨からの発言であった。

先生の仲間内では2038年に南海トラフが発生する確率が一番高く、最悪そこに首都直下型地震と富士山の大噴火が重なるという。

そうすると首都機能は失われ、地方ごとに自給自足、自給自立が進むであろうと考えているとのことであった。

その時にダウンサイジングした共同体の中でかけてはならないパーツとして自立した個人として立っていることを考えなさいという話だ。

講演後の質疑で運よく指名してもらえたので、自分は横浜出身で田舎らしい田舎を持っていない、2038年に事がおきてから地方を目指しても遅いので地方とつながりを持って、そこでなくてはならないような存在になりたいが、先生であればどういう視点で地方選びをするのかと聞いた。

先生の回答は二次元だけでなく時間のつながり永続性についても考えなさいという言葉をいただき、そのあと旧民法における家制度が子孫の為という考えを育てた話などをされていた。

ふと血は水よりも濃いという言葉が頭にうかんだが、たいていのことわざは真逆の意味のことわざ(遠くの親戚より近くの他人など)を持っていて、おそらく中庸が一番でどちらかに振れすぎた時に引き戻すための言葉として両側にあるのだろうが、家制度が守ってきた価値に対する評価が下がりすぎているので引き戻そうという話なのだと理解している。

ブログが遅れたのは、いただいたアドバイスをもとに、住処を考え続けてまだ答えが出ないためであるが一旦ここまでで吐き出してもう少し時間をかけて考えることにする。

写真はブログを書いている部屋にセットした苔テラリウム用LED!

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