
定年するまで、お客様相談室長として難しい電話応対を引き受けることが多かった。
対応後には、次に生かすべく録音を聞き返すのだが、「自分の声が毎回違う」ことに気づく。
もともと高校時代に一度のどをつぶした経験があり、低音だみ声になった。自分の声質が決して好きではなかった。
ただ体調が万全ではない日や、力を抜いて話している時に限って、不思議と声に空気が混じり、少し渋い響きになることがあった。
試しに意識して声に空気を含ませると、その間、少し渋い声質になった。
自分の嫌いな声質に、時折、悪くない声質がまざる。安定しない感じの話し方だ。
せっかくだから、意識せずに(無意識の習慣として)、渋い声で話せるように変えてみたいと思う。
低音で渋い声に共通する特徴を調べると4つに集約された。
・「倍音」胸や喉に響く、深みのある声
・ゆったりとしたテンポと間
・ささやいているように、少し息が混じるハスキーな響き
・「チェストボイス」みぞおちから出すような安定した発声
「ハミング」や「あくび発声」などをトレーニングすることで、無意識に渋い声で巡航運転のように話すことができそうだ。
試験勉強や滑舌改善のために続けている音読。音読の目的に「渋い声になるための訓練」を加えて、毎日の習慣にするところからやってみよう。
マイケル・ジャクソンのような甘くメロウな声は出せなくてもよい。
包容力があって聴くだけでほっとする、モーガン・フリーマンのような声に、少しでも近づけるとよいと思う。
中小企業診断士として相談を受ける時も、苔景作家として作品の魅力を伝える時も、「この人の話をもっと聞きたい」と思ってもらえる声は大きな武器になるはずだ。
60代でも、人はいくらでも磨ける。今度は「声」を磨いてみようと思う。
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